よくします。
SSもどき、うpしまっせ。
冬の旅立ち。
「―――…もう、行くのかい?」
私は、ぼーっと空を眺めている彼に声を掛けた。
外では、新しい生命が芽吹き始めている。
梅は咲いた。
もうすぐ、桜も咲くだろう。
「…うん、」
「………そうか…」
「なぁに、サヴァンてばまだ此処に居て欲しいの?」
相変わらずおかしな冗談を言う奴だ。
ひっぱたいてやろうかとも思ったが、こんなことでいちいち怒ってもいられまい。
ふん、と鼻で嗤っておくにとどめよう。
「少し、長居しちゃった」
寂しげに微笑う、“冬”。
「大丈夫だ、このくらいなら陛下も怒らないだろう……それに、」
「…それに?」
「………長い冬でも、必ず雪解けは訪れる」
“冬”は少し考えたあと、そうだね、と――まるで暖かな太陽のような笑みを浮かべた。
「季節は廻る……嗚呼、そろそろ行かなくちゃ、…Au revoir,monsieur Savant――次の、僕の季節まで―――」
“冬”が過ぎれば、次は“菫”と“紫陽花”の季節。
更に月日が経てば、また“冬”が廻ってくる。
次に逢うときには、たくさんの《物語》を。
“冬”と“賢者”の小さなお話。
気付いた人は少ないと思いますが(そもそも読んでる方のが少ないと「わたしーはしんじーるー」w)、
冬の次に訪れる、あの季節の名前を敢えて出していません。
どこまで伝わるかと思って…
批判など、コメントorメルフォで伝えてくださると、助かります。
分かりにくかったらごめんなさい。
否、分かりにくくてごめんなさい。
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