5月4日の23:45頃。
僕は珍しく床入りをしていた。
微睡みの中、学校のことや委員会のこと、――それからほんの少しだけ、あの可愛い僕の恋人のことを考える。
今何してるのかな、なんて僕らしくもないことを考えながら。
意識が沈みかけた時、枕元の携帯電話が鳴った。
緑ーたなびく並盛のー♪
電話だ。
瞬時に覚醒し、携帯電話を開いて通話ボタンを押す。
ディスプレイには“六道骸”とあった。
何だろう。
「もしも――」
『雲雀くんっお誕生日おめでとうございます!!』
「………は、」
し、の音は骸の声にかき消けされてしまった。
そんなことはどうでもいい。
今彼は何と言った?
携帯電話を耳から離し、日付表示を見る。
5/5 00:00
僕の、誕生日…?
嗚呼、そういえば。
学校の休日だから覚えてしまったけれど(とはいっても忘れていたが)、今日は僕の誕生日だ。
そんな些細なことを、骸が覚えていたなんて。
少し、ほんの少しだけ、嬉しかった。
「……覚えてたんだ、」
『当たり前ですよ!恋人、ですからね』
受話器からクフフ、と楽しそうな笑い声が漏れてきた。
彼の独特の笑い声を聞くと、自然と笑みが零れる。
「ありがと、」
『!!』
余程吃驚したのか、微かに息を呑む音が聞こえた。
そこまで露骨に驚かなくてもいいじゃない。
「そんなに可笑しい?」
『…いや、可愛いと思いました』
「君の方が可愛いよ」
『………意地悪』
「どっちが」
“幸せ”を咬み締める。
骸と出逢う以前の僕にはなかったこと。
僕は変わった。
『あ、プレゼント何がいいのか分からなかったので…今日は、君の言うことを出来る限り何でも聞いてあげることにしました』
…変わったのは、僕だけではなかったようだ。
「そうだね…じゃあ、名字じゃなくて名前で呼んでよ」
『分かりました。恭弥くん、』
嗚呼、くすぐったい。
「それから」
『それから?』
「逢いたいな」
電話越しのハッピーバースデー。
っていいなと思った。(苦笑
表現しきれてない…
相変わらず中身が伴わないSSもどきですみません…
これでも愛はあります。
題名は、形容詞型で“幸せな…”と考えて下されば良いかと。
お誕生日おめでとう、ひばりん。
1869HIT、ありがとうございます。
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